2010年1月31日日曜日

◆入局直後の世界!それが地方局だ!ま、こんな仕事だよ

入局者が最初に配属されるNHKのローカル局。

協会人生の最初の貴重な5年間、人によってはその後もしばらく続くローカル局の仕事、それは時に思考力を奪うあまりに地味な仕事でもあります

主な仕事となるのが平日の夕方6時10分~6時57分まで放送されるローカルニュースですが、これは記者のみならず、PDや管理、事業系など全局一致体制で毎日送るニュース番組です。

NHK佐賀放送局を例にNHKの現役記者の皆さんが進行時間とともにシミュレーションしてくれました。
※数字は各項目の分と秒。大きな数字は全体の経過時間。

ニュースただいま佐賀<新人記者デビュー記念>
・オープニング   ・・・・・1:30
・○×村で78歳の女性が車にはねられ骨折・・・・1:20
・なんとかかんたら展 ・・・・・・1:10
・幼稚園で園児が田植え ・・・・・・1:30(ON20) -5:30
<続いてはスポーツ>
・サガン鳥栖引き分け ・・・・・10:00 
・のど自慢予選会の様子・・・・・・1:30
・ビデオ投稿 ・・・・・・1:00
・管中中継(九州各局リレー)・・・・・・5:00  -23:00
・恐らく佐賀市内や佐賀空港の様子+ダサダサな音楽で1:00
・○年前の事件が明日時効★新人記者解説付き ・・・5:00
・有田焼を担う若者密着 ・・・・・・・5;00
・佐賀牛品評会。後援・船場吉兆 ・・・・・・・1:30
・大河ドラマ展・おかあさんといっしょファミリーコンサートのご案内・・・・45×2=1:30  -37:00
・有明海の魚介類・海苔死滅 ・・・・1:00
・ドロリンピック(有明海・至る所の田圃で) ・・・1:00
・週末イベント情報(吉野ケ里遺跡・嬉野温泉・武雄温泉など)・・・・1:30
・カメラマン5分企画 ムツゴロウの夏 ・・・・5:00
<子供達の話題を3本まとめて>
・歳末助け合い寄付に園児が○○局長を訪問
・NHKを訪れた○○小学校のみなさん
・NHKを訪れた老人クラブの皆さん・・・・1:30 -47:00

※なおこれはあくまでシュミレーションです。
 実際は18:52に天気予報が入るため、この中から落ちる項目が発生します。もちろん晴れ舞台の記者解説が落ちることもあります。
しかしながら、内容については毎日こんな程度のニュースです。地方は平和なので。

さて、これがなぜ全局一致かというと
・記者…ここに出てくるニュース項目を全て取材、記事にします。夜討ち朝駆け、徹夜の末の仕事です。
・アナウンサー…出演してニュース原稿を読むだけでなく、契約キャスターと尺調整のおしゃべりをします
・PD …このニュースの送出、字幕スーパー、またのど自慢やスポーツのVTR制作をします。場合によっては自分でロケ、編集、デスク次第で徹夜業務です。
・カメラマン…全ての項目の撮影をします
・編集…カメラマンが撮影してきた映像の編集をします
・事業…展示会、のど自慢やおかあさんといっしょの運営、小学生やお年寄りの出演を計画します
・編成…東京や拠点局の突発入り中継に対応します
・局長…自局もののニュースに出演してこわばった笑顔を見せます。
・技術…リモコンの空港カメラなどの操作や音楽の音出を確認します
・総務…この陰でタクシー券のチェックをします

こんな感じで様々な職種の人が関わり、支えて毎日の放送が出ます。
のど自慢予選会なんか下手すると3日くらい連続で放送が出ます。
ちなみに、こんな業務が週5日間毎日、最低5年間は続くわけです。
もちろんサービス残業、徹夜、あり得ない上司とのつきあい付きです。

絶望してはいけません。
これが地方の現実であり、受信料営業の重要商品です。